石垣明真
道警に逮捕された後、勾留中に弁護士との接見内容を記した「被疑者ノート」を警察官に取り上げられたり、自白を強要されたりしたなどとして、その後不起訴処分になった女性と担当弁護士が、黙秘権などを侵害されたとして道に慰謝料を求めた訴訟の口頭弁論が12日、札幌地裁(布施雄士裁判長)であった。この日、女性に対する尋問を今後の期日で行う見込みが布施裁判長から示された。
道警は2021年、女性を息子に対する監禁容疑で逮捕。息子は、女性の逮捕翌日に死亡した。女性はその後、嫌疑不十分のため札幌地検から不起訴処分とされている。
原告側は12日の弁論で、取り調べの音声・映像記録をもとに、警察官が女性の「人格権」を侵害する発言を繰り返したと改めて主張。警察官は「最期にみたママの姿って、すっげえ怖いママのままで終わってるぞきっと」などと述べていたと明らかにした。
原告側は女性の本人尋問も申請した。傍聴人から、女性が見えないように囲いを設けるといった配慮をすることを前提に、取り調べの状況や被疑者ノートに関することを尋問する予定だとした。
布施裁判長はこの日の弁論で、女性のほか、被告側が申請した警察官2人に対する尋問を次々回以降に行う方針だと明らかにした。
一方、被告の道側は「自白の強要などをした状況は、全く認められない」としている。(石垣明真)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル